【ライブレポート】RADIO FISH NIRVANA 2019 (2019/10/2)
- 2019.10.05
- イベント・ライブレポ
- NIRVANA2019, RADIOFISH

2019年10月2日(水)、Zepp DiverCity TOKYOにてRADIO FISHのワンマンライブ『RADIO FISH NIRVANA 2019』が開催された。
彼らのワンマンライブは昨年9月のNEWTONツアー以来となる。
メンバーの努力もあり、過去最大の2000人超の客席はほぼ完売。
日頃応援しているファンだけでなく、RADIO FISHをほとんど知らない老若男女が大勢詰めかけ、キッズスペースや2階も含めて会場を埋め尽くした。
この記事では、熱気みなぎる会場にて2時間半ノンストップで行われたステージの様子をレポートする。
【オープニングアクトFAUSTのレポートはこちら】
第一部:中田崇めパート

定刻が過ぎ緊張感が高まる中、会場が暗くなった。
1曲目はShow-heyプロデュースの新曲『SPACE MAN』。
イントロから特殊効果が駆使され、ステージ上に広がるもやのような煙が宇宙空間を描き出す。
歌うメンバーが一人ずつ、舞台中央のボックスから姿を現すたびに歓声が沸きあがる。
しかし、ボックスは五か所しかない。一人が足りない。
そしていよいよ、そのNAKATAが登場するという瞬間に、時が止まった。
音楽が止む。
階段を上がった上段部分を、カツ、カツと中央に向かって歩いてくる黒ずくめの男がいる。
NAKATAだ。
爆笑の渦が巻き起こる。
一歩進むごとに笑い声が大きくなり、少しおさまったところで、しかしNAKATAは一向に歩き終わらない。
こんな音楽ライブのオープニングは、前代未聞に違いない。
そしてようやくNAKATAがステージ中央にたどりついた!
「Are you ready? SPACE MAN」
音玉が弾け、『RADIO FISH NIRVANA 2019』がついに開幕した。
続いて、いわゆる「中田崇め曲」と呼ばれる曲が続く。
『GOLDEN TOWER(feat.當山みれい)』では、SHINGOが女性ボーカルの高音域も難なくカバーし、持ち前の美声を会場いっぱいに響かせた。
次の『あの日見た神様の名前を思い出していつかきっと泣いてしまう』では、ステージの作りを生かした、普段より規模の大きいパフォーマンスが繰り広げられる。
傀儡のようにNAKATAに操られるスキルマスターの4人。
彼らのダンスに魅了されては、NAKATAを崇めるおかしな世界観に笑わされる、という往復をフロアは繰り返した。
客席も一緒に振付を楽しめる『No.55』が終わると、次はNAKATAの大演説を堪能できる『東京大革命』だ。
「この世には2種類の人間しかいない。聞け!」
演説パートが終わりFISHBOYがうやうやしく黒布を献上すると、NAKATAはそのマントを風に思いきりはためかせる。
一度目はステージ下段、そして二度目は上段で黒いマントがひらひらと風を受けて舞う。
「全責任は、私が取る!」
謎の説得力と笑いに包まれたまま曲が終わり、最初のMCが始まった。
「おい、いつまでもマントをはためかせるのをやめろ!」
ステージ上方を見やると、なんとNAKATAがまだ風を受けて仁王立ちしている。
「これが……涼しくて」
「涼を取るんじゃない!」
さっそく芸人らしくひと笑い取ってから、トークに入る。
まず最初は、RADIO FISHを見るのが初めての人に向けて自己紹介、だったはずなのだが。
「皆さんご存知ナスが大好き、最近はまっているのはナスの煮びたしFISHBOYです!」
ファンしか知らない自分の好物をアピールしてしまったFISHBOYが元凶だろう。
メンバー全員がマイブームを披露し始め、初見の方に何も伝わらない事態に。
「外で泡風呂するのにはまっているRIHITOです」
「最近ハンバーガーが好きなSHiNです」
「大好きな桃の季節が終わってしまったShow-heyです」
以上4名が、ダンスのプロであるスキルマスターたちだ。
オリエンタルラジオの二人も負けじと自己紹介する。
「美代子と清武の息子、SHINGOです」
「美代子と清武が大好き、NAKATAです!」
今回のライブの演出を務めるShow-heyが客席に声をかけた。
「RADIO FISHが初めての方、手をあげてくださーい」
フロアの後方を中心に、多数の手が上がる。
「次に、その人たちは手を下ろさずに、今度はRADIO FISH見たことあるよって方も手をあげてくださーい」
その行為に何の意味が?と疑問符が渦巻く中、全員の手が上がる。
「じゃあ、そのまま曲に行きましょう!そんな感じの振付があるので一緒にやってくださいね!」
始まったのは「中田崇め曲」が三連続。
『ULTRA TIGER』ではNAKATAのセクシーな手招きに会場が沸き、『黄金時代』はファンが合いの手を響かせた。
『NEW GOD』では印象的な振付に合わせて、グッズのペンライトが鮮やかにコミカルに揺れる。
次の曲のイントロでファンはどよめいた。
80年代ディスコを思わせる懐かしくて少しダサさもあるミュージック。
今回発表された新曲4曲の中で、もっとも問題作だと謳われている『神様Disco』がついに始まってしまったのだ。
盆踊りをモチーフにしたキレの良すぎるダンスに笑いが起きるが、そんなものは序章にすぎなかった。
「46億年前
私がこの星を創った時に
もっとも強く願ったことがあります。」
突如始まる、NAKATAの独白。
2階中央に立つ彼の手からは緑色のレーザービームが放たれている。
はっと気づき、スタンディングの客が一斉に上を向く。
NAKATAの天地創造の光を受けた巨大なミラーボールが、きらきらと光を反射させ、会場いっぱいに降り注がせていた。
「私は……、NAKATA」
曲後のMCはこの『神様Disco』の話で騒然となった。
メンバー最年少RIHITOがプロデュースしたこの曲は、「神様がDiscoで踊りながら涅槃の境地に達する」という世界観と歌詞が奇想天外すぎて、メンバー全員初めてデモテープを聴いた際に衝撃で言葉を失ったそうだ。
「中田さんのあの語りって何なの?RIHITOと一緒に書いたんですか?」
「いや、あれは丸ごとアドリブでお願いしました」
「曲を渡されて、これまでの人生で最大級に天を仰いだね……」
企画コーナー&第二部:新旧メドレー
オモチャでゆるく遊ぶ企画コーナーを挟み、SHINGOとスキルマスターの4人が衣装替えのためはける。
一人残された御神体ことNAKATAは、なんとその間を一人喋りでつないだ。
「震災のときに芸人である自らの無力さを感じ、しかし気づいた。エンターテイメントもまた、人生の必需品であるのだと」
「ジェットコースターの楽しみ方を知っているか?それは声を出すことだ。ライブも一緒なんだ、好きな人の名前をこんなにも堂々と叫べる場所がほかにあるか?」
「『何度もブレイクしてますね』と言われるがそうじゃない、それ以外の時期を見てないだけだろう。でも、そういう苦悩や努力の時を共に過ごしたり、応援してきたってことが、成功した瞬間の喜びや輝きをより強くするんじゃないだろうか」
日本を席巻した楽曲『PERFECT HUMAN』の前に、RADIO FISHは5曲をリリースしている。
全くヒットせずに諦めかけた時を経て、あの快挙を成し遂げたのだ。
衣装替えを終えたメンバーが姿を現し、曲が始まる。
『TONIGHT』、『PARADISE』、どちらも『PERFECT HUMAN』以前の楽曲だ。
効果的にアレンジされ、メドレー形式で披露される。
続いて『O.D.O:Re』、『ワンチャンCOCO☆夏物語』、『MIND BEACH』が波の音を紡ぐように繋がれていく。
『Trip Drop Town』のラストは、SHINGOとShow-heyの二人だけがステージ上段に残り、相性の良い歌声を響かせ合った。
新曲『Bitter Coffee』はRADIO FISH初となるラブバラード。
ステージ中央に一人立つのはFISHBOY。
甘く堅実な歌声が、フロアを魅了し広がっていく。
階段に腰掛け、切ないラップを刻むのはSHiN。
そこから立ち上がると、上から下までステージをフルに使い、観客の視線を一気に引き寄せた。
ラストシーンでは、6人が舞台上の思い思いの場所で物思いにふけっている。
……しかし、余韻は一瞬で砕かれた。
「見てこの雰囲気!ちょっとこのまましっとりトークしましょうよ」
「では、軽減税率について」
「やめだ、やめ!」
第三部:NEW RADIO FISH&アンコール
SHiNのプロデュース曲である『Bitter Coffee』の裏話を終え、いよいよライブはラストスパートへ。
最初の『Gambler』では、RIHITO、SHiNの双璧がフロアを沸かせ、グッズのタオルを回す振付で観客が一体となった。
続く『O.I.S~オルスクセクシィー~』は、FISHBOYのプロデュース曲。
「セクシィ―!」の叫びに合わせ、ジャケットをはだける演出がインパクト抜群。
最後は6人が隊列を組みジャケットをはだけまくり、衝撃と爆笑の渦で会場が騒然とした。
『Stepping on the fire(feat.w-inds.)』では、SHINGO、RIHITO、Show-heyが歌とラップを担当。
見せ場しかないダンスと、独特の動き「中田ムーブ」で盛り上がりは最高潮に。
ついにラスト曲『Make Ya Groove』。
いきなり始まるNAKATAのエアサックス演奏。
もはや「笑っていいのか」などという疑問は不要だ。
会場にいる誰もが思いのままに声を上げ、手を振り、もちろん大いに笑って、今日しかないRADIO FISHを楽しんだ。
銀テープが舞い、2000人が大合唱する中、ライブはアンコールへ。
1曲目で『PERFECT HUMAN』のイントロが流れ出すと、フロアはこれまで以上に沸いた。
これだけの規模のライブで、会場認知度100パーセントの楽曲を持つ強さを思い知る。
揺れるほどの「NAKATA」コール。
歴史上の偉人でも、ここまで大勢に名前を連呼された男など、そうはいないだろう。
しかしそんなNAKATAも、曲を降りればただのRADIO FISHの一員だ。
「今日は最後にもう一つ企画があるんですよ」
Show-heyの呼び込みでケーキを持って現れたのは、オープニングアクトを務めた弟分FAUSTの5人。
「37歳、おめでとうございます!」
9月27日はNAKATAの誕生日だったのだ。
法令上の制約でロウソクが使えないため、吹き消す仕草とともに客席のペンライトを消して祝おう、とお洒落な演出が提案される。
「『おめでとう』の前、なんて呼びましょうか。中田さん?御神体?」
すると巻き起こる「あっちゃん」コール。
「『あっちゃんお誕生日おめでとう』でいきましょう」
「じゃあ、『あっちゃん』に、なるね」
言葉とともにサングラスを外すNAKATA。
すると「あっちゃん!そんなとこにいたのか!」とSHINGOが呼びかけ、笑顔が生まれた。
最後の曲として披露されたのは『また逢える日まで』。
ゆったりと手を振りながら、別れの淋しさではなく、新たな始まりへの希望を歌い上げる。
ラストはメンバーが一人ずつ挨拶し、トリをやはりNAKATAが務めた。
「人生いろんなことがある。でも、つらくなったときには『神様Disco』と『オルスクセクシィ―』のことを思い出してほしい。あんな歌を歌ってたやつらがいたなって、僕たちを思い出してください。そして、いろんなことを乗り越えて、また逢いましょう!」
ライブの何週間か前に、NAKATAが語っていたことがある。
2000枚のチケットがなかなか売れずに苦戦していたときだ。
「今回のライブに関してはいろんな意見があった。もっと小さい箱でいいんじゃないかとか、違うやり方があるんじゃないかとかたくさん言われた。だけど、俺はどうしてもZeppで2000人を集めたかった」
「どうなるのかなあ。この日がどうなるのか、ライブが終わっていったい何を思うのか、今は全く想像もつかない」
そんなことを語っていたNAKATAが、ライブ最後の挨拶を終えメンバーへの号令をかける前に、絞り出すように口に出した。
「最高だな、終わりたくないな」
傍らには、やりきった顔、泣きじゃくる顔、噛みしめる顔、そして笑顔の、メンバーたち。
「……よし、声揃えて言うぞ。せーの!」
深いお辞儀と共に聞こえた「RADIO FISHでしたー!」の6人の声。
記憶に刻み込まれて、簡単には消えそうにない。
セットリスト
2019.10.2
『RADIO FISH NIRVANA 2019』
- SPACE MAN
- GOLDEN TOWER(SHAMAN ver.)
- あの日見た神様の名前を思い出していつかきっと泣いてしまう
- No.55
- 東京大革命(SHAMAN ver.)
(MC) - ULTRA TIGER
- 黄金時代
- NEW GOD(SHAMAN ver.)
- 神様Disco
(MC&企画コーナー) - TONIGHT
- PARADISE
- O.D.O:Re
- ワンチャンCOCO夏☆物語(RIHITO ver.)
- MIND BEACH
- Trip Drop Town
- Bitter Coffee
(MC) - Gamblar
- O.I.S.~オルスクセクシィ~
- Steeping on the fire(SHAMAN&SKILL-MASTER ver.)
- Make Ya Groove
(以下アンコール) - PERFECT HUMAN
- また逢える日まで
文章 かがり(@oet_kagari)
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